こんにちは!春の陽気が心地よい季節になってきましたね。『ミーミルメディア』編集長のしげっちです。最近、ニュースで麻疹(はしか)や風疹の流行が報じられていますが、この二つの病気、「なんとなく似ているけど違いがよく分からない」という方も多いのではないでしょうか?ボクも子どもが小さい頃は「どっちがどっちだっけ?」とよく混乱していました。今日はそんな麻疹と風疹の違いについて、分かりやすくお伝えしていきますね!
麻疹と風疹はどんな病気?基本的な違い
まず押さえておきたいのは、麻疹と風疹は似ているようで全く別の病気だということ。どちらも発疹(ブツブツ)と発熱が主な症状として現れますが、原因となるウイルスが異なります。麻疹は麻疹ウイルス、風疹は風疹ウイルスによって引き起こされるんですね。
麻疹は非常に感染力が強く、空気感染と飛沫感染の両方で広がります。一方、風疹は飛沫感染と接触感染で広がりますが、麻疹ほどの感染力はありません。この感染経路の違いは予防対策を考える上でとっても重要なポイントになります。
症状の違いを見分けるポイント
「どうやって見分ければいいの?」という疑問にお答えしましょう。まず潜伏期間が違います。麻疹は感染してから10~12日後に症状が出始めるのに対し、風疹は2~3週間と少し長めです。
麻疹の場合、最初は38度程度の発熱と咳や喉の痛みなど風邪のような症状が現れます。この時期に口の中に「コプリック斑」という白い斑点が出ることがあり、これは麻疹の特徴的な所見です。その後、一度熱が下がりますが、再び39度前後の高熱が出て、全身に鮮やかな赤色の発疹が広がります。この発疹は顔から始まり、徐々に体全体に広がっていくんですよ。麻疹の発疹は互いにくっついて広がっていくのが特徴的です。
一方、風疹は首や耳の後ろのリンパ節が腫れることから始まり、全身に小さな発疹が出ます。風疹の発疹は麻疹より薄い紅色で、小さな丘疹(少し盛り上がった発疹)が特徴です。また、風疹では半数の人は発熱しないこともあるんですよ。発熱しても38度台と比較的軽めです。風疹の発疹は麻疹と違ってくっつくことなく、3~5日程度で消えることが多いです。
重症度の違い
実は二つの病気、重症度にも大きな違いがあります。麻疹は風疹よりも重い病気で、高熱や発疹が長く続き、合併症を起こす頻度も高いんです。麻疹の合併症には脳炎や肺炎、中耳炎、下痢などがあり、特に脳炎や肺炎は命に関わることもあります。なんと麻疹患者の約1000人に1人は亡くなるとも言われているんですよ。ゾッとしますね。
また、麻疹にかかった後、数年以上経ってから「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」という進行性の神経疾患を発症することもあります。これは非常に稀ですが、恐ろしい合併症です。
風疹の方は一般的に麻疹より軽症で、「三日はしか」と呼ばれるように短期間で治ることが多いです。しかし!風疹には別の大きな問題があります。それは妊娠初期の女性が感染すると、胎児に「先天性風疹症候群」という深刻な障害を引き起こす可能性があることです。
先天性風疹症候群とは?妊婦さんが特に注意すべき理由
風疹が特に恐ろしいのは、妊娠初期の女性が感染した場合です。風疹ウイルスは胎盤を通して胎児に感染し、様々な障害を引き起こすことがあります。これを「先天性風疹症候群」と呼びます。
先天性風疹症候群の三大症状は、難聴(耳の障害)、先天性心疾患(心臓の障害)、白内障(目の障害)です。その他にも様々な臓器に障害が生じることがあります。特に妊娠10週以前に感染すると、約半数の胎児に何らかの障害が生じるとされています。
これが、風疹が「個人の病気」にとどまらず、次世代にまで影響を及ぼす可能性のある感染症として重視される理由なんですね。妊娠を考えている女性やそのパートナー、家族は特に風疹の予防に気を配る必要があります。
予防と対策の違い
麻疹も風疹も、かかってしまったら特効薬はなく、症状に合わせた対症療法しかありません。だからこそ予防が大切なんです!
予防の基本は、やはり「手洗い」の徹底。特に風疹は接触感染もするので、手指を清潔に保つことが重要です。また、麻疹は空気感染もするため、流行時には人混みを避けるなどの対策も必要になります。
最も効果的な予防法は、何といってもワクチン接種です。日本では麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)が使われており、1歳と小学校入学前の計2回、定期接種として実施されています。
ちなみに、1978年~1990年生まれの方は、当時のワクチン接種が1回だけだったため、十分な免疫がついていない可能性があります。この年代の方々は特に注意が必要で、抗体検査を受けて、必要に応じて追加接種を検討するといいでしょう。
発疹の見た目の違い
麻疹と風疹の発疹は見た目にも違いがあります。麻疹の発疹は鮮やかな赤色で、互いにくっついて広がっていく特徴があります。そして色素沈着を残して、完全に消えるまで1ヶ月ほどかかることもあるんです。
一方、風疹の発疹は薄い紅色で、小さな丘疹(米粒大の盛り上がった発疹)が特徴です。麻疹と違って発疹同士がくっつくことはなく、通常3~5日程度で色素沈着も残さずに消えます。
こんな症状が出たらすぐ医療機関へ!
もし発熱や発疹などの症状が出た場合は、自己判断せず、まずは電話で医療機関に相談しましょう。特に麻疹は感染力が非常に強いため、待合室で他の患者さんに感染させないよう、事前連絡が重要です。
また、妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、風疹患者との接触を避け、心配な場合はすぐに医師に相談してくださいね。
まとめ:麻疹と風疹の違いを正しく理解しよう
麻疹と風疹、どちらも発疹と発熱を主症状とする感染症ですが、原因ウイルス、症状の現れ方、重症度、合併症など多くの点で異なります。
麻疹は空気感染もする非常に感染力の強い病気で、高熱や全身の発疹が特徴です。合併症も多く、命に関わることもある重篤な感染症です。
風疹は一般的に麻疹より軽症ですが、妊娠初期の女性が感染すると胎児に先天性風疹症候群を引き起こす可能性があり、次世代への影響という点で非常に重要な感染症です。
どちらの病気も予防接種で防ぐことができます。特に子どもさんがいる家庭や、妊娠を考えているご夫婦は、ワクチン接種状況を確認し、必要に応じて抗体検査や追加接種を検討してみてくださいね。
健康は何よりの宝物。正しい知識で自分と大切な人を守りましょう!
「健康であることの尊さは、病気になって初めて分かる」 – トーマス・フラー
皆さんの毎日が健康で笑顔あふれるものでありますように!ミーミルメディア編集長・しげっちでした。