こんにちは!ミーミルメディア編集長のしげっちです。今日は皆さんが病院で「CT検査をしましょう」とか「MRI検査が必要です」と言われたとき、「え?どう違うの?」と思ったことはありませんか?ボクも家族の検査に付き添ったときに、その違いがよくわからなくて困った経験があります。そこで今回は、MRIとCTの違いについて、わかりやすく解説していきますね!
MRIとCTの基本的な違い
まず、MRIとCTの一番の違いは、画像を撮影する原理です。CTは放射線(X線)を使って体の断面を撮影するのに対して、MRIは強力な磁石と電波を使って体内の水素原子の動きから画像を作り出します。
この原理の違いから、いくつかの重要な特徴の違いが生まれてきます。
検査時の被ばくと安全性
CTは放射線を使うため、検査時に被ばくがあります。最新の装置では被ばく量は大幅に減少していますが、ゼロではありません。一方、MRIは放射線を使わないので被ばくの心配はまったくありません。
ただし、MRIには別の注意点があります。強力な磁石を使うため、体内に金属(ペースメーカーなど)がある方は検査できません。磁石に引っ張られて体内の金属が動いてしまう危険があるからです。また、検査室に入る際は時計や携帯電話などの金属製品はすべて外す必要があります。
検査時間と快適さ
CTは検査時間が短く、最新の装置では胸部から骨盤までを撮影するのに十数秒しかかかりません。一方、MRIは様々な角度から複数回撮影するため、30分程度と比較的長い時間がかかります。
また、MRIは筒状の狭い空間に入るため、閉所恐怖症の方には不向きです。さらに、検査中はギュウギュウと圧迫感を感じることもあります。加えて、MRI検査中は「ガンガン」「ドンドン」という工事現場のような大きな音が鳴り続けるのも特徴です。
どんな病気の検査に向いているの?
MRIとCTはそれぞれ得意な分野が異なります。どちらが優れているというわけではなく、検査する部位や疾患によって使い分けられています。
MRIが得意な検査
MRIは濃度分解能に優れており、組織間のコントラストがはっきり見えるという特徴があります。そのため、以下のような検査に適しています。
・脳の検査:脳梗塞(特に発症初期)、脳腫瘍、認知症の診断補助
・脳血管の検査:脳動脈瘤や脳動脈奇形の発見(造影剤なしでも血管の情報が得られる)
・骨盤内の検査:前立腺、膀胱、子宮、卵巣などの腫瘍
・関節の検査:靭帯損傷、半月板損傷など
・脊椎の検査:椎間板ヘルニア、脊髄の異常
特に急性期の脳梗塞はCTでは見えないことが多いですが、MRIなら発見できることが多いんです。これはMRIの大きな利点ですね!
CTが得意な検査
CTは空間分解能に優れており、細かい構造をクッキリと見ることができます。以下のような検査に向いています。
・肺の検査:肺がん、肺炎などの肺野病変(MRIでは空気は描出できない)
・骨の検査:骨折、骨腫瘍など
・急性期の頭部外傷:脳出血、くも膜下出血など
・消化管の検査:胃や大腸の状態把握
・結石の検査:胆石や腎結石などの石灰化(MRIでは見えにくい)
肺の検査は断然CTが優れています。胸部X線検査では肺の60~70%しか見えないのに対し、CTは肺全体をくまなく観察できるのがスゴイところです。
部位別で見るMRIとCTの選択
検査する部位によって、MRIとCTどちらが適しているかを見ていきましょう。
頭部の検査
頭部の検査は基本的にMRIの方が優れています。脳や脳血管が造影剤を使わずに詳しく観察できるからです。脳梗塞、腫瘍、脱髄疾患など、ほとんどの頭蓋内疾患でCTよりMRIの方が有用です。
ただし、急性期の頭部外傷や脳出血、くも膜下出血の診断にはCTが第一選択となることが多いです。これは検査時間が短く、すぐに結果が得られるためです。
胸部(肺)の検査
肺の検査はCTが圧倒的に優れています。MRIでは空気を描出できないため、肺がんや肺野病変の検出にはCTが適しています。
健診や人間ドックの胸部CTの目的は、主に肺がんや肺野病変の有無を検査することが重要となりますので、肺の検査ではCTが第一選択です。
腹部の検査
腹部の検査では、MRIとCTはほぼ同等の性能を持っています。CTは検査時間が短く細かく描出できますが、コントラストはMRIより劣ります。一方、MRIは検査時間が長いものの、腫瘍・腫瘤の描出能力に優れています。
胆道系(肝内胆管、総胆管、主膵管)の検査には、MRCPと呼ばれるMRI検査が特に有用です。胆嚢の腫瘍や膵臓の腫瘍を見つけやすいからです。
骨盤領域の検査
男性の前立腺や女性の子宮・卵巣などの骨盤部検査には、MRIが第一選択です。MRIは濃度分解能に優れており、CTでは困難な正常解剖の把握や腫瘍、炎症、リンパ節病変などの疾患の鑑別が可能です。腹部の動きの少ない骨盤部の検査にはMRIが適しています。
検査を受ける際の注意点
最後に、MRIとCT検査を受ける際の注意点をお伝えします。
MRI検査の注意点
・心臓ペースメーカーや脳動脈クリップなど体内に金属がある方は検査できません
・閉所恐怖症の方は事前に医師に相談しましょう
・検査室に入る前に金属類(時計、アクセサリー、携帯電話など)はすべて外します
・アイラインなどの化粧品に含まれる微小な金属が火傷の原因になることがあるため、化粧は落としましょう
・検査中は大きな音がするため、耳栓を使用することがあります
・検査時間は20~40分程度かかります
CT検査の注意点
・放射線被ばくがあるため、妊娠中または妊娠の可能性がある方は医師に相談しましょう
・造影剤を使用する場合は、アレルギーの有無を事前に確認します
・検査時間は比較的短く、10~15分程度です
どちらの検査も、医師が患者さんの症状や状態に合わせて最適な検査を選択します。検査に不安がある場合は、遠慮なく医師や技師に質問してくださいね。
今日は、MRIとCTの違いについて詳しくお伝えしました。病院で検査を受ける際の参考になれば嬉しいです。皆さんの健康を願っています!
「健康であることの尊さは、病気になって初めて分かる」 – トーマス・フラー
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!健康診断や検査は面倒に感じることもあるかもしれませんが、早期発見・早期治療のためにも定期的に受けることをおすすめします。案ずるより産むが易し、まずは一歩踏み出してみましょう!