こんにちは、皆さん!ミーミルメディア編集長のしげっちです。今日は少し真面目な話題、「ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い」について詳しくお伝えしていきますね。
最近、街中でよく見かけるようになったスロープや点字ブロック。これらは「バリアフリー」の一環なのか、それとも「ユニバーサルデザイン」と呼ぶべきものなのか、ちょっと混乱することありませんか?ボクも正直、この二つの言葉、なんとなく同じような意味で使っていたんですよね。でも実は、しっかりとした違いがあるんです!
ユニバーサルデザインとバリアフリーの基本的な違い
まず最初に押さえておきたいのが、この二つの概念の根本的な違いです。
対象とする人の範囲が違う
ユニバーサルデザインは、すべての人を対象としています。年齢、性別、障害の有無、国籍、言語、文化的背景などに関係なく、誰もが使いやすいデザインを目指すものなんです。
一方、バリアフリーは元々、高齢者や障害のある方など特定の人々が日常生活で感じる障壁(バリア)を取り除くことを目的としています。
例えばこんな感じ。階段しかない建物の入り口に後からスロープを設置するのがバリアフリー的アプローチ。でも最初から階段をなくして緩やかなスロープだけの入り口を設計するのは、ユニバーサルデザイン的な考え方ですね!
発想の起点が異なる
バリアフリーは「障害となるものを取り除く」という問題解決型のアプローチです。すでにある障壁を特定して、それを解消するという考え方ですね。
対してユニバーサルデザインは、最初から誰にとっても使いやすいものを作るという予防的・包括的な発想から生まれています。障壁を作らないようにするという考え方なんです。
具体例で見るユニバーサルデザインとバリアフリーの違い
言葉で説明するより具体例を見た方がわかりやすいですよね!ボクの子どもたちにも説明するときは具体例を出すとスッキリ理解してくれます。
建物の入り口
バリアフリー:階段のある建物に後付けでスロープを設置する
ユニバーサルデザイン:最初から段差のない入り口を設計する
トイレ
バリアフリー:通常のトイレとは別に、車いす対応の多目的トイレを設置する
ユニバーサルデザイン:すべてのトイレを様々な人が使いやすいように設計する
キッチン
バリアフリー:車いすの方用に低めのシンクを特別に設置する
ユニバーサルデザイン:高さ調節可能なシンクを標準装備する
皆さんの周りにもこんな例、見つかりませんか?ちょっと意識して見てみると、「あ、これはバリアフリーだな」「これはユニバーサルデザインの考え方だな」と発見があって面白いですよ!
推進主体の違い
実は推進している主体にも違いがあるんです。
バリアフリーは主に行政主導で進められています。2006年に施行された「バリアフリー新法」(正式名称は「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」)に基づいて、公共施設や交通機関などのバリアフリー化が進められているんですね。
一方、ユニバーサルデザインは民間企業が主体となって取り組むケースが多いです。製品開発やサービス設計の段階から、多様なユーザーを想定して作られています。
歴史的背景の違い
この二つの概念は生まれた背景も異なります。
バリアフリーは1974年に国連が発表した「障害者の権利宣言」を契機に広まった考え方で、主に建築分野から始まりました。障害者や高齢者の社会参加を促進するための環境整備として発展してきたんです。
ユニバーサルデザインは1980年代にアメリカの建築家ロナルド・メイスによって提唱された概念です。彼自身が車いすユーザーだったこともあり、「特別なデザイン」ではなく「誰にとっても使いやすいデザイン」を目指したんですね。
ユニバーサルデザインとバリアフリーの関係性
「じゃあどっちが優れているの?」って思いますよね。でも実はそういう問題ではないんです。
ユニバーサルデザインはバリアフリーを包含し、さらに発展させた概念と考えることができます。バリアフリーが特定の障壁を取り除くことに焦点を当てているのに対し、ユニバーサルデザインはそもそも障壁を作らないようにするという、より広い視点を持っています。
理想はもちろんユニバーサルデザインですが、既存の環境をすべて作り直すことは現実的ではありません。そのため、バリアフリー的なアプローチも依然として重要なんです。
これからの社会に求められるもの
高齢化が進む日本社会では、ユニバーサルデザインとバリアフリーの両方の考え方がますます重要になってきています。
新しく作るものはユニバーサルデザインの考え方で、既存のものはバリアフリー化を進める。この両輪で誰もが暮らしやすい社会を作っていくことが大切なんですね。
ボクたち一人ひとりも、日常生活の中でこうした視点を持つことで、より思いやりのある社会づくりに貢献できるのではないでしょうか?
皆さんの周りにあるユニバーサルデザインやバリアフリーの例、ぜひ探してみてくださいね!きっと新しい発見があるはずです。
本日の名言をお届けして締めくくりたいと思います。
「障害は個人の中にあるのではなく、社会の中にある」
– 国連障害者の権利条約の基本的な考え方
これは障害の社会モデルと呼ばれる考え方で、ユニバーサルデザインの根底にある思想でもあります。社会の側が変わることで、誰もが暮らしやすい世界になるんですね。皆さんも一緒に考えていきましょう!