こんにちは!ミーミルメディア編集長のしげっちです。今日は皆さんに柑橘の世界の小さな謎について、ちょっとお話ししたいと思います。スーパーで買い物をしていると、似たような見た目なのに「不知火」と「デコポン」という異なる名前で売られている柑橘を見かけたことはありませんか?実は、これには面白い理由があるんですよ!
ボクも最初は「同じものなのに、なぜ違う名前なの?」と疑問に思っていました。子どもたちと一緒にスーパーで買い物をしていると、「パパ、これとこれ何が違うの?」と聞かれて答えられず、ちょっと恥ずかしい思いをしたんです。そこで今回は、不知火とデコポンの違いについて徹底的に調べてみました!
不知火とデコポンは同じ品種だった!
まず驚きの事実!不知火とデコポンは実は同じ品種の柑橘なんです。不知火(しらぬい)というのは品種名で、清見オレンジと中野3号ポンカンをかけ合わせて誕生した柑橘です。果実の頭部がポコッと盛り上がっているユニークな形が特徴的ですよね。
この不知火という名前は、熊本県の地名「不知火町」(現在の宇城市)から名付けられました。熊本県でこの柑橘の栽培が始まったことから、その地名がそのまま品種名になったんですね。ちなみに不知火の旬の時期は2月中旬から4月上旬頃で、ジューシーな果汁と甘さが魅力の果物です。
デコポンを名乗るための厳しい条件とは?
では、デコポンとは何なのでしょうか?実はデコポンというのは、不知火の中でも特定の条件を満たしたものだけが名乗れるブランド名なんです!
デコポンを名乗るための条件は次の通りです:
- 糖度13度以上であること
- 酸の割合が1%以下であること
- JA(農業協同組合)が出荷するものであること
つまり、同じ不知火でも、特に甘くて酸味が少ないものだけがデコポンとして市場に出回るわけです。デコポンは熊本農協の登録商標で、全国のJAが出荷するものにだけ使用できるというルールがあります。
そのため、同じくらい甘くて美味しい不知火でも、JA以外の生産者が出荷する場合は「デコポン」を名乗れず、「不知火」の名前で流通しているんですよ。なんだかギュウギュウに詰まった条件ですね!
なぜデコポンはそんなに甘いの?
デコポンがあんなに甘いのには秘密があります。それは「寝かせる」という工程です!
デコポンは収穫した時点では水分量が多く、酸味も強い状態。そのままではデコポンの特徴である甘さが引き出せないので、収穫したものを約1ヶ月ほど貯蔵します。この期間、じっくりと果実を寝かせることで、独特なジューシーな甘さのある果実ができあがるんです。
最近では、さらに糖度の高いブランドデコポンも登場し、なんと糖度26度もある驚きのデコポンも誕生しているそうです!想像しただけでお口の中がスッキリ甘くなりそうですね♪
おいしい不知火の見分け方
デコポンと名乗れなくても、同じくらい甘くておいしい不知火も市場にはたくさんあります。では、甘くておいしい不知火を見分けるポイントは何でしょうか?
見た目でチェック!
- 皮の色が濃くてくすみの少ないもの
- 皮にハリやツヤがあるもの
- ずっしとした重さのあるもの
意外かもしれませんが、頭の部分のポコッとした膨らみの大きさは、味の良さとは直接関係ないそうです。発芽から開花時期まで昼夜の温度差が15℃以上あると膨らみが出てくるという説もありますが、膨らみの大きさで味や香りに差が出るわけではないんですよ。
自宅での追熟方法
もし買ってきた不知火が酸っぱかったら、自宅で追熟させることもできます!
- 風通しのいい場所で1週間から10日ほど寝かせる
- 皮の上から果実を軽く揉む(クエン酸の量が減るといわれています)
- 果実を電子レンジで30秒ほど温める(加熱で酵素が働き、酸味成分が分解されます)
こうすることで、余分な水分が抜けて、甘さがギュッと詰まった果実になりますよ!
不知火の産地と収穫量
不知火の主な産地は九州地方と愛媛県、和歌山県などです。収穫量ランキングでは、熊本県が断トツの1位!熊本県は不知火の栽培に初めて取り組んだ地域として知られており、熊本県宇城市には「デコポン発祥の地」という石碑まであるんですよ。
不知火の収穫量ランキング
- 熊本県(14,071トン)
- 愛媛県(9,463トン)
- 和歌山県(5,751トン)
- 佐賀県(3,411トン)
- 広島県(3,234トン)
熊本県の収穫量は2位の愛媛県の1.5倍近くもあるんですね!さすが発祥の地です。
不知火の栽培と歴史
不知火は1972年に長崎県にあった農林水産省の試験場で誕生しました。当初は果実の頭の部分にデコがあり見た目があまり良くないこと、収穫直後は酸味が強いという理由で品種登録されませんでした。
しかし、その苗木が熊本県の不知火町に運ばれ試験栽培が進められました。最初は評価されていなかったのですが、ある日、試験園長が放置されていた不知火を食べてみたところ、時間が経って酸味が抜け、とても美味しくなっていることを発見!それ以降、農協を挙げての産地づくりが進められ、不知火の栽培は全国のみかん産地へと広がっていったんです。
不知火とデコポンの栄養価
不知火やデコポンは栄養価も高いんですよ!特にビタミンCが豊富で、2個ほど食べれば成人1日分のビタミンCを摂取できるそうです。
その他にも次のような栄養素が含まれています:
- クエン酸(疲労回復効果があります)
- β-クリプトキサンチン
- カリウム
- ペクチン
疲れた時にパクッと食べれば、元気が出そうですね!
不知火の保存方法
せっかく買った不知火、長持ちさせたいですよね。保存方法のポイントをご紹介します。
不知火の旬は気温が低い時期なので、冬場なら冷暗所での保存がOK。気温が上がってきたら、野菜室に入れるなど冷蔵保存に切り替えましょう。
柑橘類は乾燥すると味や鮮度が落ちてしまうので、1つずつラップで包んだり、ナイロン袋に入れるなどして乾燥対策をすることをおすすめします。適切に管理すれば、冷蔵保存でも1~2週間程度は保存可能です。
皆さん、いかがでしたか?不知火とデコポンの違いについて、少しでも理解が深まったでしょうか?同じ品種なのに、条件によって呼び名が変わるなんて、面白いですよね。次にスーパーで見かけたら、ぜひ両方を食べ比べてみてください!味の違いを発見できるかもしれませんよ♪
「人生は選択の連続である。しかし、選んだ道を歩むのは自分自身だ。」
– スティーブ・ジョブズ
今日も皆さんにとって素敵な一日になりますように!案ずるより産むが易し、まずは一歩踏み出してみましょう!